Bb9コースに作成したコンテンツを広大moodleに移行するには、まずBb9のコースを一つのファイルにまとめて出力(エクスポート)します。出力したファイルは手元のパソコンに保存されます。そのあと、保存したファイルをmoodleに読み込ませる(インポート)という手順が必要です。
Bb9でコースをエクスポートする際にいくつかの形式を選択できますが、moodleで読み込めるのは「共通カートリッジパッケージ」だけです。これは異なるシステム間でコンテンツをやり取りするための標準規格であり、Bb9、moodleそれぞれの機能をすべてカバーしているわけではありません。Bb9のコンテンツでエクスポートできないものもありますし、moodleでインポートできないものもあります。
このページでは、「共通カートリッジパッケージ」による移行のための情報を提供します。
Bb9のコンテンツには、「共通カートリッジパッケージ」を使って移行できるものと移行できないものがあります。 また移行できたとしても、moodle側で設定が必要です。それらの情報を以下の表にまとめました。
Bb9コンテンツ | 移行の可否 | メモ |
---|---|---|
項目 | ◯ | moodleでは「ページ」になります |
ファイル | ◯ | moodleではページに埋め込まれた「ファイル」になるので、「アピアランス」で提示方法の変更が必要です |
URL | ◯ | moodleではページに埋め込まれた状態で表示されるので、「アピアランス」で提示方法の変更が必要です |
「教材」に置かれたフォルダ | ◯ | moodleでは「セクション」になります |
「フォルダ」の中に置かれた「フォルダ」(サブフォルダ) | ◯ | moodleでは「ラベル」になるので、フォルダのように機能させたい場合は「サブセクション」として作り直す必要があります |
「空白」ページ | × | moodleでは「ページ」を使って再作成する必要があります1) |
旧「動画配信(アップロード)」 | × | |
Stream動画(URLリンク) | × | 移行するための専用ツールがあります。詳しくは移行マニュアルをご覧ください |
Stream動画(ページ埋め込み) | × | 移行するための専用ツールがあります。詳しくは移行マニュアルをご覧ください |
学習モジュール | × | moodleには対応する機能がありません |
テスト | △ | 問題形式によって移行できるものとできないものがあり、移行できたとしても配点やテストの動作に関する設定の調整が必要です |
アンケート | × | 移行はできませんが、moodleには「フィードバック」というアンケートツールがあります |
課題 | × | 課題の名前を持つ「ページ」が作成されるだけなので、再作成する必要があります |
自己評価/相互評価用の課題 | × | moodleでは「ワークショップ」を使って再作成する必要があります |
掲示板 | ◯ | 設定を確認する必要があります |
日誌 | × | moodleには対応する機能がありません |
ブログ | × | 広大moodleには対応する機能がありません |
Wiki | × | 移行はできませんが、moodleにも「Wiki」があります |
ファイル領域にあるファイル | ◯ | |
公開基準の設定 | △ | 利用可否のみ継承されます |
テストは問題形式や設定内容によって、移行できるものとできないものがあります。また移行できたとしても、移行後の内容を確認して再調整する必要があります。 問題形式とテストオプションそれぞれについて、移行の可否をまとめました。
Bbの問題形式 | 移行の可否 | 移行結果 | メモ |
---|---|---|---|
選択問題(択一) | ◯ | 「デフォルト評点」が1点の多肢選択問題(単一解答のみ) | 選択肢の表示に関する設定(番号、ランダム表示)は継承されないので再設定の必要あります |
選択問題(複数選択可) | ◯ | 「デフォルト評点」が1点の多肢選択問題(複数解答を許可する) | 選択肢の表示に関する設定(番号、ランダム表示)点は継承されないので再設定の必要あります |
短文問題 | ◯ | 「デフォルト評点」が1点の記述問題 | |
作文問題 | ◯ | 「デフォルト評点」が1点の作文問題 | |
穴埋め問題 | × | 別ツールで移行できます2) | |
正誤問題 | ◯ | 「デフォルト評点」が1点の○/x問題 | |
二択問題 | △ | 「デフォルト評点」が1点の○/x問題 | 意図した問題になっていない場合もあるので作成し直した方がいいです |
文章完成問題 | × | 移行はできませんが、moodleの「ミッシングワード選択」で同様のことができます | |
並び替え問題 | × | moodleには対応するものがありません | |
組み合わせ問題 | × | 移行はできませんが、moodleの「組み合わせ問題」で同様のことができます | |
数値問題 | × | 以降はできませんが、moodleの「数値問題」で同様のことができます | |
数式計算問題 | × | 移行はできませんが、moodleの「計算問題」で同様のことができます | |
質問文作成問題 | × | moodleには対応するものがありません | |
ファイル提出問題 | × | 移行はできませんが、moodleの「作文問題」でファイル提出させることができます | |
画像の座標指定問題 | × | 移行はできませんが、moodleの「ドラッグ&ドロップマーカー」 で同様のことができます | |
評価/リッカート問題 | △ | 「デフォルト評点」が1点の多肢選択問題(単一解答のみ) | 意図した問題になっていない場合もあるので作成し直した方がいいです |
記述問題(モバイル対応) | ◯ | 「デフォルト評点」が1点の作文問題 |
移行後に設定が維持される項目は、以下のみです。
これ以外の項目については、再設定が必要です。
Bb9コースの「教材」に表示されている項目1つにつき、moodleでは上から順に1つのセクションが割り当てられます。 ただし「教材」のように教材を置ける場所(コンテンツエリア)が複数あるコースの場合は、Bb9の1つのコンテンツエリアがmoodleの1セクションになります。 移行する必要がないものは、あらかじめコースから削除しておくといいでしょう。
moodleコースへのインポート作業の前に、コースの準備をする必要があります。コースの準備とは、
です。これらの作業が完了している場合は、ここはスキップしてインポート作業を続けてください。
コースで教員権限を持つユーザが初回アクセス時に行います。
[注1] アップロードできるファイルの最大サイズは、コースごとに変更できます。設定方法は以下です:
ここで設定した値は、学生がレポートなどのファイルを提出する際にも適用されます。リストアの作業が終了したら250MBに戻しておいてください。なお、Bb9からエクスポートしたCommon Cartridgeファイルが4GBを越える場合は、メディアセンターにご連絡ください。
移行後のコンテンツの調整方法を、(移行前の)コンテンツの種類ごとにまとめました。
moodleではいずれも、「ページ」に埋め込まれたファイルや外部ページとして表示されますので、必要に応じて変更してください。
テストは必ず再調整が必要です。 各問題ごとに、配点やフィードバックを必ず確認してください。
Bb9のテストオプションの設定値のうち、moodleに正しく引き継がれるものはほとんどありませんので、再設定の必要があります。 設定するためのページは、以下のようにひらきます。
テストオプションの各設定値に該当するものを、moodleの設定ページのどこで確認・再設定するのかを以下の表にまとめました。
Bbの設定値 | 移行の可否 | 移行結果 | moodleでの調整 |
---|---|---|---|
名前 | ◯ | ||
説明 | × | moodleの「説明」にはテストの名前が入るため、再設定する必要があります | |
利用を可能にする | △ | 学生に公開状態になります | 隠したい場合は「編集」をクリックして「非表示」を選びます |
複数回の実施(OFF) | × | 受験回数(無制限) | 「評点」の「受験可能回数」で設定します |
複数回の実施(ON) | ◯ | ||
使用する得点 | △ | すべて「最高得点」 | 「評点」の「評定方法」で設定します |
制限時間 | ◯ | ||
自動提出(ON) | ◯ | 「開いている受験は自動的に送信されます」 | |
自動提出(OFF) | × | 「開いている受験は自動的に送信されます」 | moodleでは「タイミング」で設定します |
表示開始日時 | × | 「タイミング」で設定します | |
期日 | × | 「タイミング」で設定します | |
結果とフィードバック | × | 「受験中に採点を行い、受験後に受験結果を表示しない」設定になります | 「問題の挙動」と「レビューオプション」で設定します([注2] 参照) |
テストの表示設定(どの設定でも) | △ | moodleでは「問題30問ごと」 | 「レイアウト」で設定します |
質問のランダム表示 | × | moodleの「小テストの編集」で「シャッフル」をONにします |
[注2] 移行直後の設定では、「問題を解くごとに正誤と得点を表示する」(自動採点対応の問題の場合)という設定になっています。 これはBb9の設定にはなかったもので、moodleのデフォルト値でもありません。 Bb9のデフォルト値(受験後に各質問の得点表示)と同じようにしたい場合は、以下のように設定します。